同じような時代背景の描写として「針の眼」を思い出した。
とにかく凄い、女性の力を充分に書き表しています。★★★★ ただ、今この本は手に入るだろうか? 「ナイト・スカイ(上)(下)」 クレア・フランシス 1983 角川文庫 (上)、1935年、マルセイユの小悪党、ポール・ヴァッソンは仲間を裏切り、その愛人を殺して逃亡した。 イギリスではジュリー・レスコーという娘が、父なし子を生むためにフランスへ渡ろうとしていた。 そしてドイツのリューベック湾では、ユダヤ人科学者フライマンが、将来の戦争の行方を左右しかねない装置、小型レーダーの実験開始を待っていた……。 (下)、フライマンはレーダー装置の機密を持って逃亡する決意を固めた。 彼を助けるフランスのレジスタンス組織には一人の英国人女性がいた、ジュリー・レスコーである。 組織は続出する裏切り者のため手ひどい打撃を受けていた。 ジュリーが密かに疑いを抱く男が、本名をポール・ヴァッソンということはゲシュタポしか知らない秘密だった。 やがて半死のフライマンが送られてきた。 大戦の行方を左右するかもしれない、重大な機密を携えた彼をイギリスに密かに送り込む仕事は、幼い息子を抱えるジュリーの肩に託された――。 #
by biomasa
| 2004-10-14 10:28
| ★★★★
探偵小説(笑)にはまった初期に読んだ作品。★★★★
ヴァン・ダインの「グリーン家」とどっちが凄いかってマジに考えたこともあった。 レーン4部作中の最高傑作とされるが、あまりにも古い。 「Yの悲劇」 エラリイ・クイーン 1932 文庫各社あり 2月の灰色の空の下、もはや形もないほどの死骸が、泡立つ海のうねりにもまれていた。トロール船のその日最後の獲物となり、あらくれ男の呪いの声と風の音を鎮魂曲に死体公示所へ向かう、これがヨーク・ハッター最後の旅であった。彼の遺書は簡潔だった。 ――完全な精神状態において私は自殺する。 常軌を逸したハッター一族。その中で小心な父ヨークには女中ほどの権力もなかった。 悪名高い一家の暴君エミリー老夫人、天才詩人の長女バーバラ、酒色におぼれる凶暴な長男コンラッド、無軌道な末娘ジル。そして、エミリーと前夫トム・キャンピオンとの間に生まれたルイザは、不幸なことに見えず聞こえず話せずの三重苦の運命を背負っていた。 ヨークの死から2ヶ月、ルイザの卵酒を飲んだコンラッドの長男ジャッキー少年が、身体を海老のように折って苦しみ始めた。猛毒、ストリキニーネ。こうして悲劇の幕は開いた。 名優ドルリー・レーンは聴覚を失って引退、今はハドソン河畔の広大な「ハムレット荘」に住んでいた。年は60だが、40といっても通るだろう。新聞記事を読んだだけで当局を悩ませていた事件を解決、続いてロングストリート事件(「Xの悲劇」参照)でもその非凡な推理力で人々を驚かせた。そしてレーンは今回も、捜査に行き詰ったニューヨーク市警のサム警部から相談を受けたのだ。 6月の夜。今度はエミリーが、奇怪にもマンドリンで頭を打たれて死んだ。その形相は背筋の凍るような恐ろしい驚愕を示していた。人を人とも思わぬこの老夫人は、死の間際に何を見たのか。母とベッドを並べていたルイザが、以外にも手話で証言を始めた。ただならぬ気配に目覚めた彼女は、犯人の顔に触れたというのだ。 ――やわらかく、すべすべした頬でした。 レーンは点字盤で文字を綴る。 ――匂いはしませんでしたか? 彼女の指が動いた。しました、それは……。不思議な答えが返ってきた。 #
by biomasa
| 2004-10-13 10:29
| ★★★★
一応ガイドブックは一通り目を通しています(^_^.)
たまにはこんなことも(笑) 「本格ミステリこれがベストだ!2004」 探偵小説研究会編著 図書館のネット予約で今日借りてきた。 中を見たら、全部国内の小説だった(笑) ネット予約は中身が見えないのです。説明がある場合もあるのですが……。 #
by biomasa
| 2004-10-12 09:35
| ★★★未満
久し振りのフォーサイスの軍事スリラーだ。
ネタはいいのだが……、文体がリポートです。 まだ読んでる途中、もう少しで終わりますが、結果はわかっています(笑) 「アヴェンジャー」 フレデリック・フォーサイス 2003 角川書店 米本土に対する大規模のテロ攻撃を察知して、その陰謀を阻止しようとするCIAの一高官と“アヴェンジャー”と称する人物との競り合いを描いた作品。 “アヴェンジャー”とは文字通り復讐する人間のことで、本書では、他からの以来でその人に代わって復讐を実行する人間、いうなれば復讐代理人ともいうべき陰の仕掛け人である。このアヴェンジャーに託された仕事とは、ボスニア紛争時にボランティアとして現地で働いていたアメリカ人の学生を残忍極まりないやり方でなぶり殺しにしたあと、南米に高飛びしていたジリチというセルビア人を探し出し、身柄を押えて米司法当局に引き渡してほしいというものであった。アヴェンジャーは直ちに行動を開始してジリチの所在を捜し、南米某国に築いた独自の聖域に隠れ住んでいることを確認して、いよいよそこへ単身、潜入する。 #
by biomasa
| 2004-10-11 10:40
| ★★★未満
現代の作品らしくインターネットやメールが有効に使われていてよくできているが、この人の作品はどれもが重い。。
「殺しの迷路」 ヴァル・マクダーミド 2002 集英社文庫 ロンドン市警の女性警部キャロルはユーロポール(欧州刑事警察機構)の職を志願した。合格したものの、ドイツの犯罪組織のボスに近づき、おとり捜査をするように言われる。彼の亡き愛人にキャロルが生き写しだったからだ。同じ頃、ヨーロッパを舞台にした心理学者の連続殺人事件がおこり、キャロルは心理分析官トニーに応援を頼む。再開した二人。再び互いへの愛を確信していくが……。 #
by biomasa
| 2004-10-10 11:35
| ★★★未満
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