なんともいえない面白さがある短篇集。★★★
「九時から五時までの男」 スタンリィ・エリン 1964 ハヤカワポケミス 古くてみすぼらしいビルの一室にあるキースラー商会は、キースラー氏以外には社員のいない小さな会社。ドアには「物品販売業」と書かれている。その日も彼はいつもの時間に家を出て、九時きっかりに、いつもと同じように会社に出勤。社内を整理した後は歯科医院に電話。そして仕事らしき電話を1本入れる。さらに新聞をすみからすみまで読んでいると昼になったので昼食へ。どうやら商売は繁盛していないらしい。昼食を取った後は外出。約束の場所へ向かう。彼が行った先はとある倉庫だった。誰ひとりいない倉庫で、何やら仕事にかかろうとする彼。彼はここでどんな仕事をしようとしているのだろう。 時間にとても正確なキースラー氏も家では印象が悪い。彼の仕事は一体なのか。 彼の奇妙な仕事ぶりを描いた表題作をはじめ、さる協会が推進する計画を実行したために、以前よりも大きな不安をいだくようになった男を描く「ブレッシントン計画」など計10編の短編を収録。 『九時から五時までの男』収録作品 ・「ブレッシントン計画」 ・「神さまの思し召し」 ・「いつまでもねんねえじゃいられない」 ・「ロバート」 ・「不当な疑惑」 ・「運命の日」 ・「蚤をたずねて」 ・「七つの大徳」 ・「九時から五時までの男」 ・「伜の質問」
by biomasa
| 2005-03-13 10:58
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