古いし、ベスト10には入らないかも知れないが、その次にはくる作品です。
★★★★の価値は充分あります。 「そして誰もいなくなった」 アガサ・クリスティ 1939 ハヤカワ文庫 巨大なインディアンの頭に似ていることから、インディアン島と呼ばれる島に、お互い見ず知らずの八人の男女が集まってきた。 島の邸に着いた一同は、召使のロジャース夫妻に迎えられ、それぞれ豪奢な部屋をあてがわれる。各部屋には、有名なマザーグースの額がかかっていた。 ――十人のインディアンの少年が食事に出かけた 一人が喉をつまらせ、九人になった ――九人のインディアンの少年が遅くまで起きていた 一人が寝過ごして八人になった …… ――一人のインディアンの少年が後に残された 彼が首をくくり後には誰もいなくなった 午後八時、肝心の招待主オーエンが姿を見せぬまま、晩餐が始まった。最初はお互いによそよそしい態度を見せていた人々も、申し分のない料理とロジャースの行き届いたサービスに、みな上機嫌になっていた。 やがて食事も終わりに近づいた頃、マーストン青年がテーブルの中央に置かれている小さな陶器の人形に気づいた。人形は全部で十個。このとき、突然、人間のものとは思えぬ鋭い声が部屋に響きわたった。 「諸君はそれぞれ、次にのべる罪状で殺人の嫌疑をうけている……」 <声>は、ロジャース夫妻を含めた十人全員の過去の犯罪を次々に暴いていく。動揺する人々。それぞれが姿なきオーエンの告発に対して弁明を始めるのだった。そのなかで、車で子供をひき殺したマーストンは、弁明の途中で酒をあおった途端、絶命してしまう。そして、マザーグースの童謡にしたがって、次々に殺人がおこなわれていく。 最後に残ったのは……。
by biomasa
| 2004-08-04 10:38
| ★★★★
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