本好き人間を興奮させる書誌学ミステリ。
ジョン・ダニングが出るまでは、本のミステリの代表作。★★★ 「殺人詩篇」 ウィル・ハリス 1985 ハヤカワ文庫 ロスアンゼルス大学の図書館司書が自宅のガレージで殺され、そのかたわらに『ペイ版詩篇』がころがっている、という事件が起こる。 警察は強盗殺人と断定するが、被害者の親友だった書誌学者クリフ・ダンバーは情況に疑いを抱く。 あれほど本好きだった人間が、『ペイ版詩篇』をこんなに粗末に扱うものだろうか? 第一流の書誌学者二人の手で鑑定はされているけれども、この本は実は偽者ではないのか? 彼は校正のプロフェッショナルの女性モナ・ムーアとともに『ペイ版詩篇』の鑑定に乗り出し、活字、印刷、紙、誤植を綿密に検討する。 この真贋鑑定の下りは、図版を何枚も折り込んで圧巻。
by biomasa
| 2005-09-19 10:44
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