「妖術師の島」や「虎よ!虎よ!」は有名だったが、まとまってカーの作品は初めて。
タイトルにある「誰でもない男の裁判」よりも、他にいいなと思った作品がある。★★★ 「誰でもない男の裁判」 A・H・Z・カー 1950-1969 晶文社 「もし神がいるのなら、おれを殺してみろ!」無神論者の作家が講演中に叫んだ次の瞬間、一発の銃弾がその胸を貫いた。 逮捕された犯人はただ「声」に命じられたと繰り返すのみ。 名無しの男に対する擁護運動が盛り上るなか、現場に居合わせたミラード神父は事件の調査委員長にまつりあげられてしまう。 しかし、全国から寄せられた手紙の一通に男が異様な表情をみせたとき、神父の胸に恐ろしい疑惑が芽生え始める。 その手紙にはただ一言、「助けて!」と書かれていた……。 信仰と真実の相剋という問題に真正面から取り組んだ異色中篇「誰でもない男の裁判」、殺人事件に巻き込まれた詩人探偵がブレイクの詩から真相に到達する「虎よ!虎よ!」、ふとしたはずみで娘の可愛がっていた猫を殺してしまった牧師の苦悩を描いて、殺人事件以上の衝撃をもたらす「黒い子猫」んど、EQMMコンテスト入選作を中心に、エラリイ・クイーン絶賛の異才A・H・Z・カーの傑作全8篇を収録。 収録作品 黒い子猫、虎よ!虎よ!、誰でもない男の裁判、猫探し、市庁舎の殺人、ジメルマンのソース、ティモシー・マークルの選択、姓名判断殺人事件。
by biomasa
| 2005-06-04 10:41
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