競馬小説の著者は本物の騎手だった。
日本でのデビュー作「興奮」に勝るとも劣らない傑作。★★★★ 「本命」 ディック・フランシス 1962 ハヤカワ文庫 アラン・ヨークは10馬身以上の差をつけられて、トップを走るビル・ディビッドソンの後姿をなすすべもなく見守っていた。 ビルの97回目の勝利は目前である。 ビルの馬、アドミラルは完璧なタイミングで最後の障害を飛び、次の瞬間、落ちた。 アランの眼に、明るい色彩を身にまとったビルの体が、まっさかさまに落ち、その腹部に馬対が直角にのしかかるのが見えた。 ――ビルは死んだ。 単なる事故とは信じられなかったアランは、独自の調査を開始しようとしたとたん、暴漢に襲われた。 「ビルの死について、あちこち聞きまわるのをやめてもらいたい」 しかし彼が話したのは、事件を担当している警部と、ビルの妻シーラとガールフレンドのケイトの3人だけだった。 ビルの馬は、絶対の本命だった。 彼が落馬をすることがわかっていれば、莫大な利益を得ることができる。 何者かが、レースを操作しようとしている……。
by biomasa
| 2004-11-20 11:01
| ★★★★
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